みかん  

歴史や概況

みかん写真 収穫1 温州みかんはその温州という名前から、その原産地は中国逝江省の温州府と思われがちですが、鹿児島県の長島で発生したものといわれています。中国から遣唐使によりもたらされたかんきつ類の種から偶然に発芽したもので、400から500年昔のことと考えられています。
 その後、全国にみかん栽培が広まり(北限は北関東)、現在では日本の果樹の中で一番の栽培面積を誇っています。和歌山県ではピーク時の昭和47年頃には30万トンを超えるまでに生産量が伸びました。現在は、生産調整や落葉果樹への転換が進み18万トン程度に減少していますが、それでも生産量は日本一。全国生産量の17%を占めています。
 みかんは品質競争時代を迎えており、味一や完熟などのブランドが発達してきています。JA紀の里でも品質向上のため、徹底した摘果やマルチ栽培を進めています。


種類
管内で生産されている種類
種類
特徴
品種
極早生みかん 9月下旬から10月に出荷されます。管内では15種類以上栽培され、全体の生産量の約16%をしめています。
日南1号・岩崎早生
上野早生・ゆら早生

早生みかん

10月下旬〜11月に出荷されます。完熟栽培に向くので年末の贈答にも使われる「みかんらしいみかん」です。生産量も多く、菅内全生産量の38%を占めています。
宮川早生・興津早生
田口早生
中生みかん 12月上旬〜下旬に出荷されます。年末の贈答用として生産されています。中生みかんと晩生みかんを合わせて普通みかんとも言われます。
向山・南柑20号
晩生みかん 12月に収穫・貯蔵し、出荷は12中旬〜3月上旬行われます。年明け用のみかんとして、貯蔵するという品種の特徴を生かして生産されています。
青島温州・大津4号
林温州

みかん写真 極早生
みかん写真 早生
みかん写真 中生・晩生
極早生品種
早生品種
中生・晩生品種

栽培面積・生産量
みかん写真 園地

栽培面積  962ha (H17近畿農政局和歌山農政事務所調べ)
出荷量   8756t (H17JA紀の里販売実績より)

特徴
美味しく、味の良いみかんを消費者に届けるために、アミノ酸や糖蜜を散布したりします。

 マルチ栽培:
木の根元にマルチシートをかぶせて、雨水等の余分な水分を根が吸収しないようにする栽培方法。水分は人工的に与え、計画的に水分量を調整することでみかんの持つ甘味を引き出すことができます。水分量を調整するというのはハウスみかんと同じで、ハウスみかんの栽培法を露地で行えるようにしたものです。

 袋掛けみかん:
色づいた果実を収穫せず、樹上で完熟させ、12月下旬〜1月中旬頃に収穫します。 寒い冬にみかんを育てているので、みかんを霜や鳥などから守るため1果ずつ専用の袋を掛け丁寧に育てます。

機能性
みかん写真 β-クリプトキサンチン みかんはビタミンC、ビタミンA、ビタミンB1を含みます。なかでもビタミンCが豊富で、みかん2個で大人の1日分が補充できるといわれています。ビタミンのほかにも、カロテノイドであるβ‐クリプトキサンチンが多く含まれており、ガン学会からガンの抑制力が強いとの報告もあります。
 みかんを食べると風邪をひかないと言われていますが、それはシネフィリンが含まれているからです。このシネフィリンは温州みかん系特有の成分で、オレンジ等には極めて少ないそうです。

生育
●春肥  3月
 春の発芽に向けて肥料をやります。樹は肥料を吸収し、春枝(新芽)の充実させます。新しい一年のスタートです。

●開花  5月
みかん写真 開花
 みかんは、たくさん花を付ける表年と比較的少ない裏年が毎年交互にやってきます。開花が始まるとミツバチが受粉ではなく蜜を集めに飛び交います。

●粗摘果  6月〜7月
 8月の仕上げ摘果の前段階として多くなりすぎている枝の実、日陰の実を間引きます。味のばらつきを無くし、おいしい果実を食べてもらうためです。

●仕上げ摘果  8月
みかん写真 摘果1みかん写真 摘果2
 実がピンポン玉くらいの大きさになると仕上げ摘果を行います。樹勢や枝ぶり、日当たりを見ながら、良い実だけを残していきます。摘果はおいしいみかん作りに欠かせない作業です。農家は真夏の炎天下のもと大粒の汗を流しながら摘果を行います。

●マルチシート被覆  7月〜8月
みかん写真 マルチシート
 マルチシートで水分管理を行います。だいたい収穫の直前までマルチシートで地面を覆います。
 マルチシートは上からの水(雨水)は防ぎ下からの水(土からの蒸気)は逃がすという特殊な性質を持ったシート。余分な水分を与えないことで味の凝縮を図ります。

●着色が始まる  9月
みかん写真 着色
 9月になると徐々に着色が始まります。この時期、心配されるのが台風です。風で枝が折られるだけでなく、大きな台風が来ると樹を根こそぎ倒されることもあります。

●収穫・選果  9月下旬〜12月
みかん写真 収穫1  収穫時期になるとみかん山はみかん色にきれいに色づきます。収穫は9月下旬〜12月下旬頃までと品種により異なります。
 みかんはハサミを使って収穫します。長年みかん栽培を行っている農家の中には片手だけで収穫できる人もいます。
 みかんは水はけがよく、日当たりの良い土地を好むので、みかん畑の多くは山の傾斜地。急な傾斜地に立っての収穫は大変な作業です。
 収穫したみかんはモノラックを使って山から運び下ろされます。 
みかん写真 収穫2みかん写真 収穫3

 
 選果は、家庭内で粗選果が行われた後、選果場で細かく選果されます。
 JA紀の里では糖度センサーで一つ一つ糖度をチェックし出荷しています。また、トレーサビリティーにも積極的に取り組んでおり、出荷した箱から誰がどの園地で栽培したものか遡れるシステムを導入しています。

トレーサビリティー(追跡可能性)
 出荷した農産物に何か問題が起きた場合、流通経路から始まり最終的には生産者、栽培園地まで追跡できる仕組み
みかん写真 選果
  ↑柑橘がベルトコンベヤーに乗り、糖度センサーにかけられる様子


●秋肥  10月〜12月
 収穫の終わった樹にお礼の意味を込めて肥料をやります。そのため「礼肥え」とも言われます。収穫で疲れた樹の栄養補給です。

●間伐・剪定  2月〜3月
 次の収穫に向け樹勢を整えます。間伐・選定することによって、各枝への日当たりを良くしたり、良い場所に新芽が芽吹くようにします。剪定は次のみかんの出来を大きく左右する作業です。JA紀の里では毎年、技術指導員による剪定講習会を開くなどして高品質・高水準のみかん作りに努めています。