しゃくやく  

しゃくやく写真1
歴史や概況
 
 自生地は中国北部、シベリア南東部、朝鮮半島など寒冷地帯です。中国では紀元前から乾燥した根を漢方薬として利用していたといわれ、宗時代(1000年代)には約3万品種があったと記録されています。日本へは中国、朝鮮半島などから導入され、1445年頃(室町時代)には、生け花法の記録が残されています。
 そもそも、しゃくやくは冬季の低温多湿には強いが、夏季の高温乾燥には弱いため日本では長野県や新潟県など冷涼地を中心に産地が形成されてきました。

しゃくやく写真2 JA紀の里でのしゃくやく栽培の歴史は、暖かい気象条件を利用し早出しの出来る産地として、昭和60年頃より面積拡大が図られてきました。出荷期間は3月末の施設栽培から5月末まで露地栽培までのしゃくやくが日本全国に出荷されています。
主要品種 
"立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花"
 古くから、清楚可憐な女性の代名詞として使われるしゃくやくの花は管内を代表する花のひとつです。花弁数や弁形の違いにより、また開花の早晩性により多くの品種が作出されています。JA紀の里では滝沢赤(赤色)や滝の粧(桃色)、ポーラフェイ(鮮赤色)を中心に約30品種が出荷されています。しゃくやくは一輪でも見ごたえのある大輪の花であり、一般的には白や赤のしゃくやくがポピュラーですが、JA紀の里ではピンクや黄色、オレンジなど多彩な色のしゃくやくも栽培されています。
しゃくやく写真 プレアリームーン しゃくやく写真コーラルシュプレーム しゃくやく写真 ポーラフェイ しゃくやく写真 滝沢赤
プレアリームーン コーラルシュプレーム ポーラフェイ(鮮赤色) 滝沢赤(赤色)

栽培面積・生産量
出荷量   514 t (H17JA紀の里販売実績より)

栽培方法
  • 季節の先取りによる有利販売につなげるため、ビニールハウス栽培を積極的に導入しています。ビニールハウス栽培では、1月にハウスにビニールをかけ、また地温を上げて発芽を早めるために地面にポリマルチをするなど、温度管理に細心の注意を払わなければなりません。また、新葉に灰色かび病がつきやすいため、適度な換気をしながら保温するという矛盾した管理技術が要求されます。
    1. 定植
      秋に株を植え付けます。しかし3年間は株養成のため花は咲かせずに、一人前の株に大きく育てます。
      また一度植え付けた株は、約10年間そのまま採花するため、有機堆肥を十分に投入し土作りを行っておきます。
    2. 保温開始
       ハウス栽培で、より早期出荷する場合は寒さに十分遭わせた後、1月にビニールでハウスを被覆し保温を開始します。同時に地温を上げて萌芽を促進するため、透明ポリフィルムで地表面を覆います。
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      蕾から蜜が出ている様子。水滴ではありません。
    3. 病害防除
      ハウス内は温度を確保するあまり、多湿になり灰色かびが葉や蕾につきやすいため、きめ細かな管理が要求されます。また、蕾からは蜜が流れ出て、灰色かびの原因にもなるため、早朝にハウス上部に設置したパイプから散水し、蜜を洗い落とします。
    4. 摘蕾
      大輪の花を咲かせるために脇芽を摘み取り一輪仕立てにします。また、翌年もたくさんの花を咲かせるために、1株からの採花は10本程度とし、残りの20本ほどは蕾を摘み取り花を咲かせないようにします。
    5. 収穫
      収穫は開花時期を迎えた花を順次切り取っていきます。収穫後どれくらいで開花するかはそのときの気候や品種により異なるので、気候や品種によって収穫時期を調整します。早く収穫しすぎると、いつまでも蕾の状態で開花しません。逆に遅れると一晩の内に開花してしまい商品価値を落としてしまいます。そのため収穫時期の判断はかなり難しいです。

      収穫後ただちに水揚げし、10本1束に結束し段ボール箱に詰め出荷します。